Smiley face
対談を前にポーズをとる小田凱人(右)と那須川天心=2024年4月24日午後0時14分、東京都中央区、吉田耕一郎撮影
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 車いすテニスの小田凱人(ときと、18)はパリ・パラリンピック(8月28日開幕)で金メダルが有望視される。その小田が最も会いたかった人物との対談が実現した。キックボクシング界で「神童」と呼ばれ、プロボクシングに転向した那須川天心(25)。リングの上にとどまらず、SNS、テレビで奔放に自身のキャラクターを披露する。その姿に共感した小田は、次々と質問をぶつけた。

若者から支持される那須川「敵も多いけど」

 小田 天心さんのことはキックボクシングのころから見ています。試合で負けていないこともすごいと思いますし、アスリートじゃない部分の発言や行動も積極的で、憧れとともに、自分の思っていることを代弁してくれている人という感じ。話を聞きたいと思っていました。

 那須川 僕はあまりラブコールを受けることがないので、そう言ってもらえるのはうれしい。

 僕は格闘技と人生を別々に考えていないから、発言も別々にならない。「格闘技界を変える」と高校1年生でプロデビューしたときから思っていた。

おだ・ときと 小学3年の時に骨肉腫を発症。10歳で車いすテニスを始め、14歳でジュニアの世界ランキング1位に。2023年の全仏オープン車いす部門男子シングルスで4大大会最年少優勝を果たし、世界ランキング1位の最年少記録も塗り替えた。

なすかわ・てんしん 高校1年生だった2014年にキックボクシング団体「RISE」でプロデビュー。翌年、バンタム級王者に。キックボクシングと総合格闘技で47戦全勝の戦績を残し、ボクシングに転向。23年4月のプロデビューから3戦全勝。

 小田 天心さんみたいにはっきりとそう言う人は、僕の周りにはいない。

 那須川 いないですよね。だから敵も多いけど、僕の人生に関わっているわけではないから気にしない。

 幼い頃から人と同じことをするのが好きじゃなかった。学校でも(校則などに対して)「何でこれやんなきゃいけないの」と違和感があった。髪形とかのルールがおかしいと思ったときは「おかしい」と言っていた。

 小田 僕は通信制の高校に在籍しているんですけど、中学生の時は、学校で怒られない範囲で髪を刈り上げたりしていました。

 天心さんは若い人たちからの支持が厚いですよね。

 那須川 子ども心を持っている大人とか、魂が若い人に届けばいいな、と思っている。

 小田 僕が一番、試合を見てほしいと思っているのは同世代。ただ、テニスはファンの年齢層が高い。小さな子にも見にきてほしい。

高校生でトップに上り詰めた2人。那須川選手はキックボクシングの王者になったとき、自身が「ムラ社会」に生きていることに気づかされたといいます。

 那須川 (支持してもらうた…

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